EMMA検査とは?子宮内フローラを可視化して着床率を上げる最新不妊検査

指をさすクマと「【専門解説】不妊治療のEMMA検査とは?」というタイトル入り画像 妊活の基礎知識
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【まとめ。これ知っておけばOK】

EMMA検査は、着床に最適な子宮内フローラ(善玉菌バランス)を調べる遺伝子検査。
「何をしても着床しない…」という方に、新しい突破口を与えてくれる検査です。

■EMMA検査とは?

EMMA検査とは、子宮内に存在する乳酸菌などの善玉菌の割合(子宮内フローラ)を遺伝子解析で調べる検査です。

正式名称は「Endometrial Microbiome Metagenomic Analysis」=子宮内膜微生物メタゲノム解析。
体外受精(IVF)における着床不全の原因を調べる「子宮内評価」の一つとして、近年注目されています。

腸内フローラってよく聞くけど、子宮にも“菌バランス”ってあるんだね!

■なぜ子宮内の菌バランスが妊娠に影響するの?

子宮内には本来、乳酸菌(ラクトバチルス属)が多く存在しています。
このラクトバチルスが優勢であることが「妊娠しやすい内膜環境」だとされています。

一方で、以下のような状態だと着床率が大幅に低下することがわかっています:

  • 悪玉菌(大腸菌・ウレアプラズマなど)が優勢
  • ラクトバチルス比率が80%未満

実際の研究では、ラクトバチルスが80%以上の女性は着床率・妊娠率・生児獲得率が有意に高いことが報告されています。

■EMMA検査の仕組み|なぜ菌バランスがわかるの?

EMMA検査では「次世代シーケンサー(NGS)」という高性能な機械を使って、子宮内にいる菌たちのDNAを調べています。

例えるなら、お弁当に入っている具材を一つひとつDNAで判別して、どれが何割入っているかまで完璧に把握するようなもの

しかも、この検査方法は「メタゲノム解析」といって、培養が難しい菌も含めて全部検出できるのが特徴です。

  • メタゲノム解析:微生物すべての遺伝子情報を直接読み取る手法
  • ラクトバチルス(善玉菌)や悪玉菌の割合:DNAの量で正確に算出

従来の検査のように「菌が育たないと見えない」ではなく、「そこにいたら必ず見つかる」というのが、EMMAのすごいところです。

まさに、「子宮の中の菌たちに名前と人数をつけてリスト化してくれる」ようなイメージ。
それによって、着床を邪魔している菌がいないか、善玉菌は十分いるかがはっきりとわかるのです。

■なぜ子宮内フローラは乱れるの?

子宮内フローラが乱れる原因はいくつかありますが、以下のような要因が知られています:

  • 抗生物質の過剰使用
  • 膣炎や性感染症の既往歴
  • ストレス・睡眠不足・偏った食生活
  • 免疫バランスの乱れ(甲状腺疾患や自己免疫疾患など)

「自覚症状がなくても、菌バランスは乱れている可能性があります」
特に再発性膣炎や抗生剤使用歴がある方は一度EMMA検査を検討すると安心です。

■子宮内フローラを整えるには?

乱れた子宮内フローラは、適切な対策で改善することが可能です。

  • ラクトバチルス含有のプロバイオティクスサプリを服用(例:ラクトフェリン+乳酸菌)
  • 糖質の過剰摂取を控え、発酵食品・食物繊維を摂る
  • ストレス対策・十分な睡眠・冷え対策
  • 医師の指導のもとでの乳酸菌膣座薬(必要な場合)

腸と同じように、子宮内も“菌活”で変わります。

■EMMA検査でわかること

検査項目わかること
ラクトバチルス比率善玉菌が十分いるか
悪玉菌の存在移植障害の原因になる菌がいないか
内膜環境の最適度着床に適した状態かどうか

■検査方法と流れ

  1. 排卵後5〜9日目(黄体期)に子宮内膜組織を採取
  2. 検体をスペインの専門機関(Igenomix)へ送付
  3. 約3〜4週間で結果が返送される

■治療方針はどう決まる?

検査結果に応じて、以下のような対応が取られます:

  • ラクトバチルス比率が低い → 乳酸菌サプリや抗生物質の服用
  • 悪玉菌が多い → 抗菌薬+再検査
  • 正常 → 次周期以降の移植へGO

検査して「整えてから移植する」…実はそれが最短ルートかもね!

■EMMA検査はいつ受けるべき?

EMMA検査は基本的に移植周期に合わせて行うのがベストです。
ただし、以下のようなケースでは早めに受けるのがおすすめです:

  • 胚移植に何度も失敗している
  • 子宮内膜炎が陰性なのに着床しない
  • フローラ環境が気になるが原因不明のまま

採卵前ではなく、着床のタイミングを見計らった時期(排卵後5〜9日目)に実施しましょう。

■EMMA検査とAlice・ERAの違い

検査名調べること対象
Alice炎症があるか(慢性子宮内膜炎)敵(病原菌)
EMMA善玉菌と悪玉菌のバランス味方(フローラ)
ERA着床の最適なタイミングタイミング(内膜の反応)

この3検査を併用することで、「内膜の敵・味方・タイミング」すべてを可視化でき、より確実な妊娠計画が立てられます。

■費用と注意点

EMMA検査は自由診療で、費用は5〜7万円前後
検査結果は海外で解析されるため、結果まで少し時間がかかります(3〜4週間程度)。

■EMMA検査をおすすめしたい人

  • 何度も胚移植しても妊娠しない
  • 子宮内膜炎が陰性でも原因がわからない
  • 抗生剤治療後、再構築できているか確認したい
  • フローラ改善を目指した妊活をしたい

■よくある誤解Q&A

Q:腸にいい乳酸菌を飲めば、子宮内フローラも整いますか?

A:必ずしもそうとは限りません。

腸と子宮は近いようで異なる環境です。腸内に届く乳酸菌が、そのまま子宮まで到達するわけではありません
ただし、腸内環境の改善によって全身の免疫バランスが整い、間接的に子宮環境にも良い影響を与えるという考え方はあります。

より効果的に子宮内を整えたい場合は、ラクトバチルス属の膣投与や子宮内フローラに特化したサプリの併用が推奨されることがあります。

Q:善玉菌って多ければ多いほど良いの?

A:必ずしも「多ければいい」というわけではありません。

大切なのは「バランス」です。
例えば、善玉菌が90%以上でも悪玉菌が強い型だった場合、炎症やバリア機能の破綻が起こることも。
EMMA検査では“バランスが取れているか”を総合的に判断してくれるのがポイントです。

フローラ=菌活って、子宮にも関係あるんだね!
「内膜の見えない世界」に目を向けてみよう🐧

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