【これだけでOK】
受精卵は早く凍結?育ててから凍結?
胚盤胞凍結できるならこっちの方が妊娠に有利!
初期胚凍結vs胚盤胞凍結|妊娠率・移植回数・安全性を科学で徹底比較【浅田レディースクリニック(ALC)】
凍結のタイミングが体外受精の成績を左右する
体外受精(IVF)では、卵子を採卵し受精させた後、受精卵(胚)を一旦凍結保存するのが一般的になっています。
このとき悩むのが「いつ凍結するのがベストか?」というタイミング問題です。
- 受精してすぐ(3日目頃)に凍結する「初期胚凍結」
- 5〜6日ほど育てた後に凍結する「胚盤胞凍結」
同じ受精卵でも、この数日の違いが妊娠率や移植回数に大きく影響します。
具体的にどんな違いがあるのか?わかりやすく例えてみます🐑
初期胚凍結と胚盤胞凍結の違いをわかりやすく解説
イメージで言うと──
- 初期胚凍結は「青いトマト」を冷凍庫に入れる感覚🍅
- 胚盤胞凍結は「完熟した真っ赤なトマト」を冷凍保存する感覚🍅✨
どちらも保存できますが、完熟してから保存した方が中身の質をしっかり確認してから保存できます。
胚盤胞まで育てるというのは、胚の健康状態をある程度見極める自然なふるい分け作業を挟むことなのです。
【さらに詳しく】🍱お弁当で例える「初期胚移植」と「胚盤胞移植」

初期胚移植=材料を早めに届ける作戦
- まだ料理が完成していない状態(分割期胚=受精後3日くらいの段階)
- 材料(卵・精子が分かれて準備された状態)をお母さん(子宮)に早めに渡して、そこで最後の仕上げ(着床準備→胚盤胞化)を任せる
- 多少未完成でも、材料さえ届ければ仕上げてくれる可能性がある
🌟メリット
- 材料が多い時は早く届けてチャンスを広げられる
- 胚盤胞まで育たないリスクを避けられる
🌧デメリット
- お母さん(子宮)側が負担
- 全部うまく仕上がるとは限らない
- 料理完成率(着床率)はちょっと下がりがち
胚盤胞移植=完成品を届ける作戦
- 料理をしっかりキッチン(培養室)で仕上げてから届ける(胚盤胞=受精後5日まで育った完成弁当)
- 出来上がった状態なので、届けば食べてもらいやすい(着床しやすい)
🌟メリット
- 出来上がった完成弁当なので、着床率(出産率)が高い
- 特に若い女性では約1.4倍高くなる(Martinsら)
🌧デメリット
- 調理中に失敗する材料もある(胚盤胞まで育たずロスする)
- 材料が少ないと完成品がゼロになるリスクも
📚研究データでの結論
- Cochraneレビューの結論(Glujovskyら)
→「完成品(胚盤胞)を届けたほうが全体的に成績が良い」
ただし、材料が足りない人は無理に完成品だけを狙わないのも作戦の一つ - ESHREガイドラインの考え(2019年)
→「完成品+1つだけ届ける(SET)を推奨」
→理由:双子以上のリスクを避けつつ、成功率も最大化できるから
胚盤胞は「自然淘汰」を活かせる強みがある
受精卵の中には、染色体異常や細胞分裂のエラーを抱えて発育停止するものも多く存在します。
実は人間の受精卵の50%以上は、もともと何らかの異常を抱えています。
胚盤胞まで育つこと自体が、ある種の「生き残り試験に合格した証拠」になります。
これをわかりやすく例えると──
- 初期胚凍結=エントリーシート提出の段階で保存
- 胚盤胞凍結=最終面接を突破し、内定を勝ち取った人だけ保存

内定組の方が入社後(妊娠成立後)に活躍する確率が高いのは当然です。
ここからは、科学データの裏付けも使って詳しく解説していきます🐑
科学論文が示す胚盤胞の妊娠率の高さ
数々の医学論文でも、胚盤胞凍結の方が妊娠率・出産率に有利であることが示されています。
- Martinsら 2017年 (Fertility & Sterility)
胚盤胞移植は初期胚移植に比べ出産率が約1.4倍高いと報告。 - Glujovskyら Cochraneレビュー 2016年
胚盤胞移植の妊娠率・累積出産率が統計的に有意に優位。 - ESHRE(欧州生殖医学会 2019年ガイドライン)
胚盤胞培養+単一胚移植(SET)を世界標準の推奨治療と明記。
科学的には「胚盤胞凍結の方が妊娠効率で優れている」ことが世界標準になっています。
初期胚凍結が選ばれる合理的なケースもある
もちろん、すべての患者さんに胚盤胞凍結が必ず適しているわけではありません。
以下のようなケースでは、初期胚凍結も合理的な選択肢になります。
適応理由 | 解説 |
---|---|
卵子数が極端に少ない | 胚盤胞まで育てると全滅の恐れがある |
高齢(40歳以上) | 染色体異常が増え発育停止しやすい |
ラボ技術が限定的 | 胚盤胞培養は高水準の培養技術が必要 |
患者の心理 | とにかく凍結数を多く残したい不安感 |
初期胚凍結は「在庫をできるだけ残す保険型戦略」と理解できます。
技術進歩で胚盤胞の安全性は格段に向上
- タイムラプスインキュベーター導入で培養環境が安定
- ガラス化凍結(Vitrification)により凍結融解の生存率はほぼ100%
- 培養液の改良で胚の発育環境が大きく改善
現在は採卵数さえ十分あれば、胚盤胞培養の全滅リスクはほぼ心配がない水準まで下がっています。
年齢別に見る胚盤胞到達率の現実
年齢 | 胚盤胞到達率(受精卵あたり) |
---|---|
30歳未満 | 50〜60% |
35歳前後 | 40〜50% |
40歳 | 30〜40% |
43歳以上 | 10〜20% |
35歳以下なら「胚盤胞まで育てる余裕」が十分にあると言えます。
高齢層では卵数との兼ね合いで慎重な戦略が必要です。
ここからは、浅田レディースクリニック(ALC)に通っている人向けの超実践的な話です🐑
浅田レディースクリニック(ALC)の場合はどうなる?
基本方針は「初期胚+胚盤胞が半々」
浅田レディースクリニックでは、原則として受精卵の半数を初期胚凍結、半数を胚盤胞凍結という分散保存が基本方針です。
これは在庫も確保しつつ、高い妊娠率も狙うという極めて合理的な戦略です。
同意書提出で「全胚盤胞凍結」も選択可能
採卵数が十分取れており、胚盤胞までの発育が期待できる場合は全胚盤胞凍結も可能です。
事前に医師から説明を受けた上で同意書を提出することで、全胚盤胞凍結へ移行できます。
浅田レディースクリニックで迷いやすいポイントと考え方
「胚盤胞に全部進まなかったらどうしよう…」と不安な人へ
浅田レディースクリニックではタイムラプスインキュベーターが標準装備され、高精度な培養管理が行われています。
採卵数が5個以上確保できていれば全胚盤胞にしても全滅リスクは極めて低いのが実情です。
卵が少ない場合は半々保存が合理的
- 採卵数3個以下
- AMH低下
- 高齢層
こうしたケースでは初期胚も残しておく半々保存戦略が有効です。
「自分がどちらのタイプか?」は医師とよく相談するのが大事です。
浅田レディースクリニックでの胚盤胞率はどれくらい?
浅田レディースクリニックが公表する正確な数値はありませんが、統計的には以下が目安です。
年齢 | 胚盤胞到達率 |
---|---|
35歳以下 | 約50%前後 |
35〜39歳 | 約40%台 |
40歳以降 | 30%以下 |
国内トップクラスの培養技術水準と考えられています。
【浅田レディースクリニックまとめ結論】採卵数や発育に問題がなければ胚盤胞凍結一択
- 採卵数が取れている人は全胚盤胞凍結を強く検討すべき
- 同意書提出で全胚盤胞も柔軟に選択可能
- 全滅リスクは過去の技術より大幅に低い
- 「胚盤胞優先→条件次第で半々」 が浅田の現実的な標準戦略
迷ったら「年齢×卵数×技術力」で考えればOK!
浅田レディースクリニックの強みは、条件が整えば安心して胚盤胞に挑める環境があることです🐧
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