【まとめ。これ知っておけばOK】
「何をしても着床しない…」その原因、見えない炎症かもしれません。
Alice検査は、細菌のDNAを高精度に解析し、子宮内の“見えない問題”を可視化してくれる遺伝子検査です。
Alice検査とは?
Alice検査とは、慢性子宮内膜炎(CE)の有無と原因菌を調べるための次世代シーケンス解析(NGS)を用いた最新の遺伝子検査です。
Aliceは「Analysis of Infectious Chronic Endometritis」の略称。超音波検査や内診では見つけられない炎症を、細菌のDNA解析によって特定できるのが最大の特徴です。
名前だけじゃ何の検査かわからなかったけど…中身はかなりすごい!
慢性子宮内膜炎とは?なぜ不妊の原因になるのか
慢性子宮内膜炎とは、子宮内膜に細菌感染が起き、長期的な炎症状態が続いていることを指します。
- 大腸菌(Escherichia coli)
- 腸球菌(Enterococcus faecalis)
- ウレアプラズマ(Ureaplasma spp.)
- マイコプラズマ(Mycoplasma hominis)
これらの菌が子宮内にとどまることで、受精卵の着床が妨げられるだけでなく、妊娠継続も難しくなる可能性があります。
Alice検査の流れと診断の仕組み
① 子宮内膜組織の採取
排卵後5〜9日目を目安に、細いカテーテーテルで子宮内膜を採取します。
日帰り・麻酔なしでOK。多くの方が生理痛程度の軽い痛みと感じています。
② 検体を検査機関へ送付
組織を専門機関に送付し、NGS(次世代シーケンサー)で細菌DNAを解析します。
③ 結果の報告と診断
約2〜3週間後、検査結果が返送され、以下のように分類されます:
判定 | 説明 |
---|---|
陽性 | 炎症あり。菌の種類と量が特定される |
陰性 | 菌の異常検出なし。内膜は正常 |
グレーゾーン | 軽微な菌を検出。再検査や経過観察の指示が出ることも |
「原因不明」を「明確な対処」に変えてくれる検査…それがAlice検査!
他検査との違い
検査 | CD138 | 子宮鏡 | Alice |
---|---|---|---|
診断方法 | 染色による顕微鏡観察 | 子宮内視鏡による目視 | DNA解析で菌を特定 |
病原菌特定 | できない | できない | できる |
見逃しリスク | あり | あり | 極めて低い |
EMMA・ERAとの違いと併用のメリット
EMMA検査は、子宮内に存在する善玉菌・悪玉菌のバランス(腸内フローラならぬ子宮内フローラ)を調べる検査。
ERA検査は、胚移植に最も適した内膜の着床ウィンドウ(着床のタイミング)を特定する検査です。
Alice検査は「炎症(=敵)」を見つけ、EMMAは「環境(=仲間)」を整え、ERAは「タイミング」を合わせる。
これらを併用することで、内膜環境をトータルに最適化でき、着床成功率の向上が期待されます。
陽性だった場合の治療方法
菌に合わせた抗生物質を10〜14日服用。
その後、再検査で菌が消えていることを確認してから、胚移植へと進みます。
検査後の流れと注意点
再検査は原則推奨されます。抗生物質で菌が本当に消えているかどうか、確認せずに移植すると再発のリスクがあります。
- 抗生剤服用中は基礎体温の乱れや胃腸の不調が起きることも(医師に相談を)
- 検査・治療中はアルコール・性交渉は控えるのが一般的
- 抗菌薬で善玉菌も減るため、必要に応じてプロバイオティクスなどを併用する医師も
治療して終わりじゃなく、しっかり“治った”と確認するのが大事なんだね。
費用と保険適用の有無
Alice検査は自由診療で、費用は約3〜6万円が相場。
一部クリニックでは「先進医療」として保険治療中にも併用可能な場合があります。
Alice検査をおすすめしたい人
- 複数回の移植失敗や流産経験がある
- ERAやEMMAを受けても結果が出ない
- 原因が見つからない着床障害で悩んでいる
- 治療ステップアップ前に内膜環境を整えたい
「いろいろ試したけど結果が出ない」…そんな時は、見落としがちな“炎症”に目を向けてみてください🐧
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